概要

モビリティウィークの実施条件のひとつめが、「9/16-22の一週間、テーマに沿って活動を行う」です。

日本国内では、必ずしもテーマに沿う必要がありませんが、持続可能な交通手段である徒歩、自転車、公共交通に重点を置いてください。

活動トピック(推奨)

以下は、EMW本部で推奨している活動トピックですが、日本国内では、各都市、各団体が、それぞれの地域に応じた内容を行ってください。

①公共交通

自動車に代わる交通手段として、「多様な交通手段(マルチモーダル)」を促進するために、公共交通事業者は積極的に、モビリティウィークを活用しましょう。

1)公共交通での通勤

  1. 退社時間には、駅やバス停などの近くで、ドリンクサービスの提供をします。
  2. 交通事業者と、利用者とのワークショップを開催します。
  3. 駅にあるカーシェアリングやライドシェア(相乗り)などのシステムについて情報提供します。

2)だれでも利用しやすい公共交通

  • 障がい者支援団体等と協力し、市民が、車椅子に乗ったり、目隠しをして、彼らが直面している課題(移動の制約)を理解・共有します。
  • 利用者と事業者とのコミュニケーション:公共交通利用者の満足度や期待について把握するための調査を行います。
  • 交通管制センターの市民向けツアーを開催します。公共交通がどのように、速度やルート、運行本数を管理しているかを知ってもらいます。
  • 公共交通が技術的に進化していることを知ってもらうため、新しいクリーンでインテリジェンスな車両の試乗会を企画します。

②自転車

自転車は、「住みやすい都市」に非常に関係しています。自転車は、都市空間やエネルギーを節約し、騒音も大気汚染もありません。自転車の長所を最大限アピールする必要があります。

1)自転車通勤

  • インフォメーションセンターを設置します。
  • 「バイクツーワークデイ(Bike to Work Day / 自転車通勤」の日を企画します。朝食の提供や、サイクリング用のアプリを使い、競い合うソーシャルバイクチャレンジなどに参加します。

2)自転車利用の環境整備

  • 地元の自転車組織・団体等と協力し、自転車の修理サービスを提供します。
  • 安全なサイクリングルートの情報を提供します。
  • 新しい自転車レーンや自転車道のテスト走行を企画します。
  • 地元の自転車組織・団体等、警察と協力して、防犯登録をよびかけましょう。

3)自転車ファッション

  • 新しい自転車モデルや試作品(プロトタイプ)の展示会を開催します。
  • サイクリングウェアのファッションショーやサイクリングキット等を開発します。

③徒歩

時々、軽視されてしまいますが、徒歩は、重要な交通手段です。

1)徒歩通勤

  • 企業に対し、従業員が徒歩で通勤したら、朝食や、金銭的インセンティブ等を提供するよう、働きかけます。
  • 企業に対し、会社周辺の歩行環境について、最高責任者に実際に歩いてもらい、評価してもらうよう、働きかけます。

2)リビングストリート(Living Streets)

  • 市議会が、徒歩で街を探索して、障害物や、舗装のひび割れ、違法駐車、ゴミ等の問題について、評価します。

3)「パーキング・デイ(Parking day)」の実施

  • 住民を招待し、駐車場をクリエイティブに活用してもらいます。
  • 魅力が欠けている道路に、緑を置きます。
  • 商店会(商店主)に参加してもらいます。

4)学校

  • 自治体の職員が、通学時に見守りを行います。
  • 歩いて行うゲームや競争をやりましょう。
  • 新しいテクノロジーを活用して、子供たちと交流しましょう。

5)グリーンウェイ(緑道)

  • 徒歩や自転車の遠足などを企画します。
  • 地元の役所や関係機関の協力のもと、緑地(私有地含む)のピクニックを開催します。

④賢い車の使い方

自動車を利用しなくては困る人も、より持続可能な都市環境に貢献することができます。

個人レベルでは、注意深い安全な運転を行うことから、社会としては、カーシェアリングなど車1台あたりの乗客数を増やすなど、多岐にわたっています。

  • 渋滞時に運転者のストレスを実感してもらうために、ストレスボールなどを渡します。
  • 教習所では、エコドライブの仕方を教えてもらうように依頼します。
  • スクールバスの運転手、タクシードライバーなどプロの運転手や事業者へ、エコドライブを呼びかけます。
  • 地元のガソリンスタンドと協力し、利用者がタイヤの空気圧の定期的なチェックを呼びかけます。(空気圧が下がると燃費が悪化するため)
  • ドライバーに対して、一定期間、免許証を預ける大会を企画します。参加者には、公共交通機関のチケットを配布します。
  • 地元のラジオには、交通情報の際、ドライバーへ、渋滞対策として、他の交通手段をすすめるようよびかけます。
  • カーシェアリングやライドシェア(相乗り)についてシステムを紹介します。もし、自分のまちにない場合には、将来的な導入に向け、潜在的なニーズの調査を開始します。
  • 電気自動車や、ハイブリッド車な環境にやさしい乗り物の試乗会を開催します。
  • モビリティウィーク期間中に、マスコミ向けに、市長が電気自動車を使えるかどうか確認します。

⑤都市内輸送(配達方法)

人々の移動だけでなく、商品の輸送、配送にも、持続可能な交通が重要です。

  • カーゴバイクの乗車会や配送の展示会、カーゴバイクのシェアリングなど、カーゴバイクを利用したイベントを企画します。ヨーロッパの都市部の配送は、50%から70%(カーゴ)バイクにシフトする可能性があるという予測もあります。
  • 店舗や個人への配送ステーションを設置します。
  • トラックの駐車場や集荷センターは、カーフリーエリアの外に設置します。

⑥モビリティマネジメントの促進

モビリティマネジメントは、人々の行動変容を促すために、強力なツールになり得ます。

  • モビリティウィーク期間中に、自治体は、学校、企業等とパートナーシップを確立し、通学プランや通勤プランを実践します。
  • 企業間で持続可能な通勤を推奨する活動を企画し、優秀な企業を表彰します。
  • 移動や通勤に関する課題について、従業員のグループワーキングや、ワークショップ等を企画します。

⑦まちを楽しむレジャーやイベント

レジャー活動は、自動車が通らない空間だからこそ、安全に、まちを発見し、楽しむことができると気づかせてくれます。

  • まち探索のためのスペシャル・シャトル便
  • ツアーガイドや地元団体が企画するツアー
  • スポーツショップ、学校、団体・組織などと協働でおこなわれるウォーキングラリー
  • 公共交通やバイクシェアリングにアクセス可能なホテルのカギ(ICカード)
  • 公共空間でのフリーコンサート、劇場公演、大道芸、アーティスト活動など
  • まちの主要な広場には、市民意見ボードを設置
  • 地元のスポーツ団体・組織や店舗、企業に、道路上でのスポーツ活動の企画を依頼
  • 馬車、観光列車、電気ボードなど特別な乗り物の試乗会

⑧健康的な活動

移動が与える健康の影響や効果は、すべての人に関係しますが、子供や高齢者は、それらがより大きくなります。

  • 地域の保健機関、健康保険組合、医師会、スポーツ団体等と協働して、移動や健康の活動を企画します。
  • 大気、騒音、環境、エネルギーに関する組織・期間は、大気や騒音の展示会を企画します。
  • 駐車場での大気汚染防止テストの実施を、警察や自動車技術管理センターに依頼します。
  • 日常生活での身体を使った移動(徒歩・自転車等)のメリットを発信してもらえるよう、健康保険組合に依頼します。
  • 人々の健康意識を高めるため、「健康チェック」(血圧、体重、骨密度など)ができるよう、病院・クリニックに依頼します。
  • 携帯型の大気測定装置を使い、様々な交通手段で計測します。

そのほかの実施条件