概要

モビリティウィークの実施条件の三つ目めが、「カーフリーデーを実施する」です。

9/16-22のモビリティウィーク期間中に、1日、クルマのない都市空間を創出します。イベントは、最終日の9/22の実施が望ましいですが、各都市の事情に合わせて設定してください。

実施内容

モビリティウィーク最終日の9/22に行われる、メインイベントです。

一日、街の中心部において、自動車交通のないエリアを創出し、市民が、車のない都市空間を体験します。

エリア内での移動は、歩行、自転車、公共交通となります。

そのため、公共交通の増便(運賃の減額、または、無料)、シャトル便で連絡される駐車場の確保、相乗りの促進、貸自転車の設置などが行われます。

この体験により、市民は、「クルマに頼らなくても、都市の中を問題なく移動できる」ことを理解できます。さらには、地球環境や都市文化、都市生活の質の問題等を考えるきっかけにもなり、まさに、持続可能なまちを考える日となっています。

留意点

  • カーフリーデーは、9/22の実施が望ましいですが、各都市の事情に応じて、モビリティウィーク期間中の他の日でも実施可能です。
  • 日本では車の交通規制を伴う催しでなくても、啓発活動だけでも参加することができます。ただし、その場合、EMW本部への登録としては、カーフリーデーの実施都市にはカウントされません。
  • 自動車の流入規制については、自家用車を制限することを意味し、福祉車両、タクシー、住民のための自家用車、救急車など緊急車両等は、通行できます。

参考事例(カーフリーデー発祥都市)

<ラロッシェル(フランス)2006年>

ラ・ロッシェルは、フランスの港湾都市で、1997年にはじめてカーフリーデーを実施しました。

2006年は、カーフリーデー10周年ということで、盛大にカーフリーデーが実施されました。まちの中心部(約1.2ha)をカーフリーとし、周縁部には、誘導・指示ゾーンを設け、P&R駐車場を設置し、中心部まで、無料のシャトルバスを出しました。また、ZONE30に新しく指定された道路のお披露目式や、町のバリアフリー化にむけた整備の調印式も行われ、市長が参加していました。

<ラ・ロッシェルについて>

ラ・ロッシェルは、大西洋岸に位置する都市圏人口135,000人のフランスの港湾都市で、古くから貿易の拠点、芸術・文化のまちとして栄えています。その一方で、環境の観点から、様々な都市交通政策を展開し、約20年前から電気自動車の普及にも熱心な環境都市のパイオニアとして広く知られています。

このラ・ロッシェルで、1997年9月9日、「車のない日」の社会実験が行われました。

この実験の成功がきっかけで、翌年にはフランスの環境省のイベントとして、さらに2000年からはEUのプロジェクトとして毎年9月22日に「街では車を使わない日」が実施されることになりました。2002年からは、モビリティウィークの中心的イベントとして、現在に至っています。

ラ・ロッシェル1997年の様子はこちら

カーフリーデーの実施状況(世界)

カーフリーデーは、モビリティウィーク当初は、多くの都市で実施されていましたが、近年は、欧州での交通まちづくりが進んだこともあり、3割程度の実施となっています。ですが、EMW本部としても、依然、重要な取組みと位置付けています。

以下は、当団体代表が、カーフリーデー、モビリティウィーク初期の2000年前後に訪れたフランスの都市の様子です。貴重な映像ということで、EMW本部のYoutubeにアップされています。ご覧ください。

ラ・ロッシェル La Rochelle(仏)/1997

世界初のカーフリーデー(ラ・ロッシェル(仏)/1997年)です。

カーフリーデーの前後のまちの様子がよくわかります。世界でも大変貴重な映像となっています。

当日の様子についてはこちらもどうぞ

ストラスブール Strathbourg(仏)/1998

トラムで有名な、フランスのアルザス地方の都市ストラスブール。

トラムを筆頭とした公共交通政策だけでなく、総合的なまちづくりの領域でも成功を収めています。

カーフリーデー開始2年目から、ストラスブールも参加しました。

当日の様子についてはこちらもどうぞ

リヨン Lyon(仏)/2002

リヨンは、パリに次ぐフランスの大都市です。

2002年は、中心市街地500ha(世界遺産の一部)をカーフリーデー実施地区とし、大きなイベントとなりました。

当日の様子についてはこちらもどうぞ

カーフリーデーの歴史

1997年のラ・ロッシェル(仏)がカーフリーデーの発祥!

カーフリーデーは、1997年に行われたフランス、ラ・ロッシェルの「車のない日」が発端となっています。フランスの国土整備・環境省(現在はエコロジー・サスティナブルデベロップメント省)は、この試みは大変意味深いことと考え、大臣の呼びかけに応じた都市において、1998年からはフランスの催しとして"En Ville, sans ma voiture " (街ではマイカーを使わない)という名称で行ってきました。

2000年からはEUの取組みに発展!
2000年からは、欧州委員会(環境総局)のプロジェクトとなり、カーフリーデーという名称が一般的に使われるようになりました。フランス語を基礎とした、"In town, without my car!"も使われています。

2002年から1週間の取組み「モビリティウィーク」へ発展!

このカーフリーデーをさらに発展させ、2002年からは、「モビリティウィーク」として、1週間の「都市と交通に関わる催し」となりました。1週間の内に環境や交通に関わるテーマについてキャンペーンを行い、今ではカーフリーデーはこのモビリティウィークの中心イベントとなっています。

そのほかの実施条件