概要
ヨーロッパモビリティウィークは、市民と行政が一緒になって、まちでの移動(都市交通)を切り口に、個人のライフスタイル※から、まち、地球環境まで幅広く考えようという啓発週間です。
欧州委員会(交通・運輸総局)のプロジェクトで、毎年、9/16-22の一週間、世界3000都市近くが参加して実施しています。
最終日の9/22には、「カーフリーデー」と呼ばれるイベントが行われ、まちの中に一日、クルマがない都市空間を設置し、市民が、持続可能なまち、クルマの問題を考える日となっています。
ヨーロッパモビリティウィークは、地方自治体が実施誓約書にサインし、自治体や参加・協賛団体が出資をしてイベントを開催します。(日本は、市民団体の参加登録が特別に認められています。)
ヨーロッパモビリティウィークは、この活動を通じ、持続可能な都市交通・まちづくりに向けた、①市民への啓発と②自治体の政策展開の双方を目指しています。
啓発にとどまらず、これを機にハード・ソフトともに自治体の政策展開まで行われている点が特徴で、持続可能な都市交通の政策推進にむけた有効な手立てとして活用されています。
※健康や生活の質(QOL)の向上など。
ねらい
①市民への啓発
持続可能な交通まちづくりへの市民の理解を深めるため、モビリティウィークでは、以下の点に力を入れています。
- 大気汚染の問題を認識する
- 人や自転車の空間を優先する
- 公共交通を推進し強化する
- 地域の資産を再認識する
②自治体の政策展開
自治体が、持続可能な交通まちづくりを展開・促進させるために、モビリティウィークでは、以下の点に力を入れています。
- 持続可能な都市交通におけるイニシアティブを発揮する
- 現在の都市内での移動方法が与えた環境や生活の質についてのマイナスの影響を市民に理解させる
- 地域住民、組織、商店街、企業等と協力関係を構築する
- ヨーロッパおよび世界の様々なまちや都市と共通の目標およびアイデンティティを共有するための幅広いキャンペーンを行う
- 持続可能な都市交通に対する自治体の関与を強調する
- 新しい交通政策・恒常的な施策に着手する
実施内容
ヨーロッパモビリティウィークでは、3つの実施項目があります。参加するには、どれか1つを実施する必要があります。
1.1週間テーマに沿った活動を実施する
9/16-22の一週間、毎年のテーマに沿った持続可能な交通まちづくりに関するとりくみを行う。
2.恒常的施策を開始する
モビリティウィークを活用して、自治体は、恒常的施策を展開する。
3.カーフリーデーを実施する
モビリティウィーク期間中に、まちなかで一日、自家用車の交通止めを行う「カーフリーエリア」を創出し、車のない都市空間を市民が体験できる機会をつくる。※最終日の9/22の実施が望ましい。
留意点
2.恒常的施策について・・・こちらは、市民団体が主催する場合には、該当しません。
3.カーフリーデーについて・・・交通止めを行うことがハードルが高いため、カーフリーエリアの創出がない「カーフリーデー」の実施も、日本国内では認めています。ただし、厳密なカーフリーデーには該当しないため、EMW本部への登録としては、該当しません。
詳細は事務局までご相談ください。
運営体制
欧州委員会交通・運輸総局の支援のもと、EU域内の公的組織と各国担当責任のナショナルコーディネーター(通常は省庁や関連組織の代表)で構成される運営委員会が運営しています。
日本は、EU非加盟国のため、ナショナルコーディネーターは、民間の当団体代表(望月真一)が担っています。また、日本国内、また、アジアでのモビリティウィークの参加登録サポート・普及活動を、当団体が行っています。
※当団体は、欧州委員会からの補助はありません。
テーマ
ヨーロッパモビリティウィークのキーワードとして、公共交通機関・自転車・生活道路・緑の道等のほか、都市文化、公共空間、健康、安全等が掲げられ、毎年決められるテーマに従い日替わりでこれらのキャンペーン・交通施策の実施を行います。
2022年のテーマは「Better Connections つなげよう、つながろう!」です。
持続可能な交通まちづくりに向けて、5つのP「People(人)、Places(場所)、Public transport(公共交通)、Planning(計画)、Policy(政策)」の連携を高めようというテーマになっています。